いうまでもなく「家族間殺人の比率が高い」ことは直ちに「家族間の殺人が多い」ことを意味しない。「他人間での殺人が少ない」のかもしれないからだ。そして現代日本についてどちらの解釈が妥当であるかは、現代よりも殺人の発生率が高かった時期において家族間殺人の比率は現在よりも低かったことから自ずと明らかになる。
また、殺人事件の半分が家族間のものであるというのは必ずしも現代日本に固有の現象でもないようだ。長谷川眞理子・長谷川寿一が邦訳した『人が人を殺すとき』(マーティン・デイリー&マーゴ・ウィルソン、新思索社)で援用されているデータによれば、デンマークにおける1933年から1961年までの殺人事件で犯人が判明した678件のうち50.6%が近い血縁者によるものだという。やはり殺人が少ない社会では家族間殺人の比率が高くなるのである。
このデンマークのデータにも親による嬰児殺しが多数含まれているとのことだが、家族間殺人の多くは実は嬰児殺しや介護疲れによる殺人、あるいは障害を持つ子どもの“将来を悲観”しての殺人であり、かつて与党議員だった亀井静香は経団連を責める前に自民党の社会福祉政策について反省してみる必要があろう。
– 日本は家族間の殺人が多いのか? 家族間殺人の比率が高いのは現代日本だけか? - Apes! Not Monkeys! 本館
Posted on Wednesday October 7th